史上最も明るいガンマ線バーストをチェレンコフ望遠鏡で検出 ~粒子ジェットの構造に新たな知見~

2025年07月29日

研究?産学連携

発表のポイント
◆観測史上最も明るいガンマ線バーストからの高エネルギーガンマ線をチェレンコフ望遠鏡LST-1で検出することに成功しました。
◆同ガンマ線バーストの検出に成功したのは、チェレンコフ望遠鏡として唯一です。
◆加速粒子の流れ、ジェットが多層構造を持つことがわかり、この天体種の発生機構とそこでの高エネルギー粒子加速の研究に新たな知見をもたらしました。

 概要
 東京大学、{web_name}、京都大学などからなるCTAO観測所のLST国際共同研究チームは、観測史上最も明るいガンマ線バースト(以下、GRB)(図1)、GRB 221009Aからの高エネルギーガンマ線放射の検出に成功しました。観測は2022年10月にスペインのカナリア諸島ラパルマ島にあるチェレンコフ望遠鏡LST-1を用いて行われました。検出の成功はチェレンコフ望遠鏡を用いたGRB 221009Aの観測では唯一の成果であり、2019年の初検出以降の他のGRBを含めてもわずか5例目です。取得データを解析したところ、このGRBが多層からなるジェット構造を持つことがわかり、GRBの発生機構とそこでの高エネルギー粒子加速の研究に新たな知見をもたらしました。

  • 図1:ガンマ線バーストの想像図 中心のエンジンであるブラックホールから超高速の粒子流「ジェット」が吹き出ている様子。(Credit:東京大学宇宙線研究所/若林菜穂)

    図1:ガンマ線バーストの想像図
    中心のエンジンであるブラックホールから超高速の粒子流「ジェット」が吹き出ている様子。(Credit:東京大学宇宙線研究所/若林菜穂)