銅を使って医薬合成の効率化に貢献―狙った位置を修飾できる新反応を開発―
2025年08月04日
研究?産学連携
沙巴体育_大发体育娱乐在线¥投注官网大学院医学薬学府修士課程2年 磯野友宏氏、大学院薬学研究院 原田慎吾准教授及び根本哲宏教授の研究グループは、銅(Cu)を用いた触媒注1)とコンピューターによる分子のシミュレーション(量子化学計算)を駆使し、医薬品や創薬の候補となる天然有機化合物に数多く含まれる「インドール骨格注2)」の狙った位置だけを効率的に修飾する新たな手法を開発することに成功しました。本研究成果によって、インドール骨格を持つ多様な分子の前駆体を、簡便かつ選択的に合成することが可能となり、今後のインドール化学や創薬研究のさらなる発展が期待できます。
本研究成果は、2025年7月15日に英国王立化学会誌 Chemical Science に掲載されました。
■ 用語解説
注1)触媒:自身は変化しないが化学反応を促進する機能(活性化エネルキ?―を下け?る作用)を持つ物質のこと。一般に高い活性を有するものが多い。
注2)インドール骨格:多くの天然物質や医薬品に共通して見られる生体に重要な化学構造。さまざまな「飾り」がつくことで、全く異なる働きを持つ物質に変わる。「幸せホルモン」のセロトニン、「睡眠ホルモン」のメラトニン、ジャスミンの香り成分、鎮痛剤のインドメタシンや片頭痛薬のスマトリプタンなどの、身近な化合物に頻繁に含まれている。